小島歯科医院 名誉院長ブログ

子供の発達と保育士のかかわり研修

2010年10月24日(日)


社会福祉協議会1 10月24日(日)10時から12時まで石川県社会福祉会館にて、保育所に勤める保育士さんを対象に虫歯予防と乳幼児期の食事とお口の働きについて講義した。会場には金沢市、小松市、白山市、能美市、野々市町、津幡町、内灘町から30数名が参加していた。真剣さがひしひしと感じられ、熱心にメモを取る姿や熱意に打たれ、少し細部まで話しすぎて時間をオーバーしてしまい、声がかれてしまった。   これまで使われていた離乳初期、中期、後期、完了期が、平成19年3月から口腔摂取準備期、嚥下機能獲得期、捕食機能獲得期、押しつぶし機能獲得期、すりつぶし機能獲得期、自食準備期、手づかみ食べ機能獲得期、食具食べ機能獲得期となり、ついうっかり使わないように悪戦苦闘して話をした。資料も古い言葉のものもあり、聞いている方も聞き慣れない言葉に少し戸惑っている様子だった。

 講演終了後、具体的事例の質問が相次いだ。小さく切ったリンゴや、ふかしたサツマイモを食べないではき出す時に何を考え、どうすればよいのか。上口唇が山形になっていたり、下の前歯が2列に生えている子供さんにどのような対応すればよいのか。虫歯が多発している子供さんの保護者にどのようなアドバイスをしたらよいのか。断乳と卒乳の狭間でどのように説明すればよいのか。などなど、質問もたくさんあり充実した一日となった。

質問 サツマイモをはき出してしまいます
kojima-dental-office.net/20101030-1775

社会福祉協議会5 社会福祉協議会2 社会福祉協議会4 社会福祉協議会3 質問 

平成22年度子供の発達と保育士のかかわり研修
タイトル 「乳幼児期の食事とお口の働きについて」
       日時  2010年10月24日(日)10時から12時
       場所  石川県社会福祉会館 4階 中ホール
            住所 石川県金沢市本多町3丁目2-10
       対象者 県内の保育所に勤める保育士、看護師、栄養士など
       主催  石川県社会福祉協議会 福祉総合研修センター

今日のお話の内容
Ⅰ.虫歯予防の話
Ⅱ.乳幼児期の食事とお口の働きについて
 1.幼児期、学童期に見られる問題点と改善策
   ①歯列不正や舌、口唇、頤部などの形態異常
   ②噛めない、飲み込めないなどの機能障害
   ③指導、訓練や治療
 2.自立の過程
   A.発達する口腔領域の機能獲得期
   ①口腔摂取準備期                 
   ②嚥下機能獲得期    生後5~6ヶ月頃
   ③捕食機能獲得期
   ④押しつぶし機能獲得期   7~8ヶ月頃
   ⑤すりつぶし機能獲得期   9~11ヶ月頃    
   ⑥自食準備期    12~18ヶ月ヶ月頃
   ⑦手づかみ食べ機能獲得期
   ⑧食具食べ機能獲得期              
    スプーン、フォーク、箸
  B.自立過程に置いて機能の発揮の仕方を学ぶ幼児期前半
 3.食べることのレディネスと評価
 4.その他
  ①嗜好
  ②1歳6ヶ月の歯科検診の意義
  ③消化分解酵素
Ⅲ.その他
 1.歯肉炎
 2.舌
 3.タバコ、薬物
 4.児童虐待と歯科医師の関わり
 5.食品による窒息事故

アンケート 子供の発達と保育士のかかわり研修
受講者  32人
回答者  30人

評価 大変参考になった   22人    76%
   まあまあ参考になった  5人        18%
      どちらとも言えない   1人          4%
   余り参考にならなかった 0人
   参考にならなかった   0人

自由意見
 今まで、浅い知識しかなかったのですが、専門的なことから具体的に教えて頂き、すごく勉強になりました。離乳食の初期がとても大切で、その後にも大きな影響があることもわかり、親が知っていないと大変だなと思う事がたくさんありました。本当にありがとうございました。

 具体的な例があってわかりやすかったです。未満児保育担当の先生が聞きますと、よりよかったのではないでしょうか?「食べる事」はその仕組みがしっかりとできていませんと、うまく食べられないことを学びました。プロフィール紹介の時マイクを使っていましたが、講師の先生にマイクがなく、少し聞き取りにくかったです。先生のご希望かもしれませんが、聞き取りにくい方にも配慮があればいいなと思いました。

 砂糖の話や離乳の仕方など、いろいろ学べてよかったです。

 自分も子育てをしてきましたが、離乳食の進め方や口の働きなど、いろんな貴重なお話が聞けて、大変参考になりました。口の中の発達を促す遊びなども園に帰ってやっていきたいです。

 食事をする時はお茶を置かないと聞き、噛まなくて飲み込んでいる子はお茶や汁物を多くとっている事に気づきました。飲み込んでいる子に対しては、お茶や汁物を置かずに給食を食べさせてみたいと思いました。卒乳についても、保護者に相談されていたので聞いた事を母親に知らせたいです。

 いかに離乳の進め方が大切かがわかりました。自分で食べるためにフォークでと思ったがスプーンの方がいいとわかりました。

 食べるという事の大切さを改めて感じました。現在0歳児を担当しているという事で、離乳食期の食べさせ方、発達にあったかかわりを見直して行く事が大切だと思いました。また保護者へのアドバイスも参考になり、一生切り離せない食べる事について急がず一歩一歩進んで行く事が大切だと感じました。クラスで物を押し込んで食べる子、よく噛めない子などについても、急いで離乳食を進めず、見直しながら進めていこうと思いました。ありがとうございました。

 噛まない子、噛めない子の多くなってきている原因が離乳期にあることは知っていたのですが、離乳食の進め方が早すぎるために発達が遅れることを学びました。その話を聞いて、1回の量をゆっくり噛んですり潰して食べる練習をする事と、舌の働きをよく見極めながら、焦らず進めていく事が大切だと思いました。そして、離乳食は月齢ではなく1人1人の発達を見極めながら進めていきたいです。

 ストローについてや食べる機能の発達に応じたかかわり、上下唇・舌の大切さを学びました。参加させて頂きありがとうございました。

 口の働きが歯並びや虫歯に関係するということを、以前聞いていましたが、なぜなのかがとても分かりやすく理解できました。保育所での食事はもちろんですが、保護者にも伝えていきたいと思いました。

 私にとって、とても学ぶ事が多く、正しい知識を身につける必要性と職員に周知していかなくてはならないことを感じました。

 実際、保育園にもいろんな子がおり、それぞれに家庭環境があります。自分が受け持った子で「噛めない子」がおり、1年間(2歳の入園)で、根気よく噛むことを知らせたり、家庭と話し合ったりしてきました。そのおかげで現在持ち上がりで食事の様子を見ると大きな成長が見られ、今では、よく噛み何でも口にしています。今回の話で、きちんと段階を踏んで進めていかなければ発達に大きな影響が出てくる事も良く分かり、上に上げた子の成長の過程を改めて確認する事ができました。この知識を活かし、保育の現場でできる事を精一杯やり、家庭にも返して一緒に進めていきたいです。

 昨年度、小島先生の研修を受け、再度忘れかけていた事を思い出しながら、本日も学ばせて頂きました。ありがとうございました。スプーンは食材によって使い分けてきたのですが、本日もスプーンの介助について詳しく聞けて良かったです。

 虫歯は口や舌の働きに問題がある事に驚きました。

 犬歯と下の前歯は滅多に虫歯にならないことを初めて知りました。分かりやすかったです。

 以前も聞いた話なのに忘れてしまったことを思い出す事ができました。好き嫌いの決め付けをしていました。指ぶえなど自分もできないことがあり、口・舌・唇の動きもまた見ていきたいと思いました。ありがとうございます。

 食べる事は学習することと、口の働き、発達を理解しました。大人のかかわりが重要だということが再確認出来ました。ありがとうございました。

 明日からの保育に活かしていきたいと思います。保護者にも、啓蒙していきたいです。

 専門家の話が聞けてよかったです。口の働きから、離乳食を考える事ができてよかったです。(関わり方を含む)明日からの保育に活かせる様な内容でとてもよかったです。

 イモ類のみ、よく吐き出す子は、つぶれる硬さのものにして、量を少しずつ与えると良いと学びました。実践してみます。詳しい説明ありがとうございました。

 口の働きと離乳の進め方は、大変参考になりました。ありがとうございました。食事を作る者として、子どもの口の働きがしっかりできているかを確認するためにも、現場に出ることと保育士や親と連携をとり進めていく事が、大切だと感じました。食事の形態、硬さにも注意を払っていきたいと思います。

 本当に赤ちゃんの頃からの噛むことや食べ方が、大きくなってからの歯並びや虫歯につながっていくのだと学びました。虫歯は食べ物からとか、歯磨きをしないからだけでなく、小さい頃の積み重ねが大きく関わってくるのだとわかりました。「噛むこと」って本当に大事なんだと感じ、子供たちにも伝えたり、介助も今日学んだことを活かしていきたいです。

 これからの乳幼児期の食事の進め方など、大変参考になりました。

 私は3児の母(5・3・0歳)なのですが、母としても、看護師としてもとてもためになる研修でした。ありがとうございました。0歳の子は、現在8ヶ月なのですが、食事の時、いろいろ気をつけてあげようと思いました。園でも職員に分かりやすく指導し、子供たちに指導、トレーニングできればと思います。

 歯科医からの視点での、お話が分かりやすく学びがありました。

 口全体の働きが、虫歯の防止になったり、歯並びをよくしたりということにつながる事に少し驚きました。細かい事がたくさん分かりましたので、自分の子供や保育園の子供にも、教えたり、訓練してあげたいと思います。また、私自身、虫歯の予防法を知れたので1つで2度美味しい研修でした。ありがとうございました。

 勤務してから未満児の担任をする機会が多く、食事・離乳食の面でも当てはまる事がたくさんあり、とても勉強になりました。今後も子供一人ひとりの様子を見ながら、保護者支援も含めて参考にしていきたいと思います。本当にありがとうございしました。

保育所 | 社会福祉協議会 | 口の働きを育てるの最新記事