小島歯科医院 名誉院長ブログ

野菜の好き嫌いの克服術があれば教えてください

2010年06月03日(木)


 口腔育成の立場からは、好き嫌いは発達・学習現象と考えています。親が「この子はこれが嫌いなんだ」と小さい頃から決めつけないことが重要です。
 3歳未満では乳臼歯がしっかり噛んでいませんので、野菜や肉類は嫌いというより食べられません。特に繊維性の野菜は噛み切れませんので、葉ものは食べにくいです。3歳を過ぎると、脳が発達して食べられない食品は減少します。しかし、まだうまく食べられない物もありますので、楽しい形や噛み切れる形状などの工夫が必要です。また食事時間の2時間前は、おやつなどをあげず、空腹にしておく事もポイントです。ふつうは10から15歳までに嫌いだった食品でも大部分が食べられるようになります。
 大切なことは、野菜を食べないのは、野菜を食べる働きがまだ育っていないと理解し、「野菜嫌いで食べない」と判断しないことです。大きくなれば自然と食べられるようになりますが、親が思いこむと子供は食べなくなります。食べ方の発達や体験を経て次第に嗜好の幅が広がっていきます。たとえば子供がある食品を食べない場合、「それが嫌い」と断定的にとらえるのではなく、「まだ食べられるようになっていない」と発達の流れの中で考えるべきです。

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