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歯周病に対する当院の考え方

2008年07月28日(月)


無題 歯周炎の原因は一定量以上の細菌繁殖(バイオフィルム)です。しかし現時点で、歯周疾患の鑑別診断や進行の予見に耐えうる細菌検査は確立されていません。また、たとえ原因菌がわかったとしてもそれに対する適切な治療法も確立されていません。それゆえ細菌と宿主の免疫応答のバランスの崩れを原因と考え、診断は歯肉炎であり、出血しなくなったとき治癒とします。プラ-クコントロ-ルするかどうかは患者自身の選択であり、当院ではハブラシを持ってくるかどうかで判断しています。  歯周病原因菌増殖の影響が歯肉にとどまらず、コラ-ゲンバンドルを越えて歯槽骨にまで及び、歯周炎の結果として骨吸収が見られます。患者自身が行う原因に対する治療(プラ-クコントロ-ル)に少し遅れて、後遺症に対して評価して処置(後始末)を行い、機能回復を目指します。歯肉の発赤、腫脹の改善が見られてから、処置が治療環境を整えて治癒の手助けになります。治療と処置を区別して考えています。
    原因-診断-治療-治癒  -患者
    結果-評価-処置-機能回復-医療機関

 症例 1

 この症例では、始めて来院した日に歯周病の病因について説明しました。翌日一生懸命ブラッシングしましたので、歯肉からの出血が見られます。担当歯科衛生士のアドバイスを聴き、ブラッシング技術を工夫し、よく噛む食事を心がけましたので、歯肉は少しずつ良くなっていきました。定期検診を続けていくことにより、健康な歯肉を維持していくことが出来ます。

患者  54歳 女性
初診  1987年2月12日
主訴  上顎前歯の歯肉からの出血
診断  慢性歯周炎
現病歴 3ヶ月前から歯肉からの出血があり、触らないようにしていたら、歯肉が赤く腫れてきました。
経過
 翌日  一生懸命ブラッシングため歯肉からの出血が見られます。
 1週間後

②翌日 一生懸命にブラッシング ③1週間後

2週間後 3週間後

2週間後 ⑤3週間後

1ヶ月後 3ヶ月後  補綴物のマージンを形態修正

⑥1ヶ月後 ⑧3ヶ月後   補綴物のマージンの形態修正

4ヶ月後 8ヶ月後

⑨4ヶ月後 ⑪8ヶ月後

1年後 1年6ヶ月後

⑬1年後 ⑮1年6ヶ月後

2年後 3年後

⑯2年後 ⑰3年後

4年後

⑱4年後

症例2

①1992年1月7日 口蓋側の発赤・腫脹 この症例の場合は、来院当初見られた歯肉の赤い腫れは本人の努力によりかなり改善されました。しかし、3ヶ月においても健康な歯肉の状態ではありませんでしたので、局所麻酔を施して歯根面をきれいにしました。術後20日で健康な歯肉が回復し、1年後のレントゲン写真でも骨吸収像は安定していました。その後定期検診を続けられ20年後においても健康な歯肉の状態が続いています。

患者 43歳 女性
初診 1992年1月6日
主訴 右上1番 口蓋側歯肉の発赤・腫脹
診断 成人性歯周炎
経過
1週間後
1ヶ月後

②1992年1月16日       消退傾向 ③1992年2月4日      1ヶ月後

3ヶ月後  手術当日 術後3週間後

④FOp当日 ⑤術後20日後

1年後 骨吸収像が安定しています

⑦1年後 ⑥1年後     骨吸収像が安定している

3年後 10年後

⑧3年後 ⑨10年後

20年後

⑩20年後

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